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・スカニア
完成車バスとして従来のCN113の後継モデルに位置づけられる新型の“オムニシティ”が展示された。この車は、オートバスRAIの報告で触れられるので省略する。このほか、汎用シャーシーとしてK94型も発表されたが、本調査の対象とすべき内容はない。

 

・IVECO
前回は、FR駆動の小型ノンステップバスを発表したIVECOは、今回シティバスの発表を見送っている。なお発表間もない同社の大型ノンステップバス“CityClass”について同車の開発に深く関わったケスボーラーがその後EVOバス設立のパートナーとなったベンツとの間での、路線バス市場はベンツで一本化という方針と反するということで宙に浮いた形になっているという話も囁かれている。

 

・ルノー(RVI)
ルノーは、ノンステップバスアゴラの単車と新しい連節バスタイプの2種を展示した。連接タイプは、エンジンも駆動軸も後部車体に収められたいわゆるプッシャータイプで、床は第二アクスルからワンステップである。また、単体展示ではあるが9.8Lのバス用6気筒ガスエンジン(ターボ252PS)も出品している。

 

・ネオプラン
ドイツのみならず、世界中で革新的なバスを世に送り出すバスメーカーとして知られるのが、ネオプランことG.アウヴェルター社である。
他のショーの調査でも同様の展示であった、ショーの目玉は新型の観光バスN516である。本調査でもブレーキバイワイヤの電子制御ブレーキ(供給はボッシュ)をバスで初めて採用したバスとして触れておく。
路線バスは、すべてノンステップで市街地用がN4016(12m)と3軸のN4020(15m)の2台。いずれも、数年前に発表済みだが、N4020はベルリンのBVGに納入されることが決まっており、ロンドン同様に2階建てが標準であったエリアにワンフロアで乗客数を向上させたバスが導入される動きは興味深い。
一方、汎用観光バス“トランスライナー”を基本にしたノンステップバスが、N316L/N318Lモデルである。観光バスのボディにノンステップの床レイアウトという組み合わせが目を引くスタイリッシュなバスで、前者は、12mの2軸車、後者は15mの3軸車である。室内後部は、通常の観光バスと同じため、後ろの座席に着くには何段もステップを上がる必要があるが、前半は座席下を含めて床は全くのノンステップである。この床面レイアウトは、乗降性向上はもちろんだが、大きな窓と高い天井はライバルが存在しないほどの開放感を与えてくれる。この点では、どんな高床観光バスも敵わないはずで、本来はベンツのO405Nワや後述するゼトラのS315NFと同じ都市間路線を狙ったバスだが、市街地の定期観光バスにもうってつけではあるまいか。
低公害バスは、2種類の展示があった。まず、全長8.5m全幅2.3mの中型ノンステップバスN4007CNGは、その名の通りCNGエンジンを搭載したバスで、室内は後部が2段ステップになっている。エンジンは、アメリカカミンズのB5.9で、ターボ195PSである。燃料は、ホイールベース中央屋根上に搭載されている。
もう1台は、ディーゼル−電気ハイブリッド(シリーズ型)の連節バスN4121DES型である。これは、前回のIAAで発表されたN4014DE(その後N4114DEと変更された)

 

 

 

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